4「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」

第四の柱 「地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等」

成長の牽引力となるインフラ整備を前倒して実施するとともに、地域を支える中小企業支援を含め地域活性化を図り、地域の視点に立った重点的な支援を行う。

4.地域活性化、社会資本整備、中小企業対策等

我が国の産業・社会を支える地域経済、中小企業を巡る環境は引き続き厳しい状況にある。新成長戦略の前倒し、地域の生活の安心への寄与等の観点から、インフラ整備を実施するとともに、地域の雇用を支える中小企業支援を含めた地域活性化を図り、地域から日本を元気にする緊急的な措置を講ずる。

(1)地域活性化

○耐震化等による安心・安全な居住・生活環境の整備

○地デジ放送、デジタル・コンテンツ利用の推進

○国民の「食」を守る農林水産業への緊急支援

○成長分野としての農林業の育成支援

○魅力ある観光地づくりの推進と国内旅行の活性化

○地域の目線に立った支援の拡充

○地方交付税の増額

(2)社会資本整備

○地域経済の元気復活に資するインフラ整備

○地方公共団体によるきめ細かなインフラ整備等の支援

(3)中小企業対策

(4)その他

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(1)地域活性化

地域経済の元気復活のため、住民の生活に密接に関わる住宅・市街地施設等の耐震化や施設の長寿命化を図るための維持管理の推進、農林水産業の生産基盤の強化など、新成長戦略の前倒しとなる取組をはじめ、地域の目線に立ったきめ細かな支援を行う。

<具体的な措置>

○耐震化等による安心・安全な居住・生活環境の整備

(ア)住宅耐震化の加速等【国土交通省、防衛省】

・地方自治体における住宅耐震化支援や、耐震化の合意形成が困難なマンションの耐震診断等への直接支援を図る。

・既存住宅ストックの耐震化、バリアフリー化等の改修費用を支援し、子育て世帯、高齢者、障害者等に対する安心・安全な賃貸住宅の供給を促進する。

・飛行場等の防衛施設の周辺地域における住宅の防音工事を助成し、住民の生活環境を改善する。

(イ)生活に密接に関わる学校等の施設の耐震化の推進等

【文部科学省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省】

国民生活に密接に関わる学校、上下水道等の耐震化等や、認知症高齢者グループホーム等の防災対策上必要な改修等の支援(再掲)を図るとともに、災害発生時の避難地等として機能する都市公園の整備等を行う。

(ウ)国民生活の安心につながる防災対策等の推進

【総務省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、防衛省】

近年多発する集中豪雨などの自然災害に対する防災力を強化するため、河川・砂防、山地、下水道、漁港・漁村、海岸、航路標識の防災対策、防災体制強化等を緊急的に実施する。あわせて、災害復旧等事業費について所要の追加を行う。

(エ)市街地再開発及び地籍整備の促進【国土交通省】

防災上危険な密集市街地や空洞化が進行する中心市街地等において、市街地再開発事業、地籍整備の実施等により、市街地の再生・再構築を図る。

○地デジ放送、デジタル・コンテンツ利用の推進

(ア)地上デジタル放送移行支援の強化【総務省】

低所得世帯への地デジチューナーの無償配布の対象の拡大等を図る。

(イ)デジタル・コンテンツの利用促進【内閣府、経済産業省、国立国会図書館】

地域の雇用創出に資する国立国会図書館所蔵資料のデジタル・アーカイブ化及び書籍等のデジタル化の推進に係る事業の前倒し等を通じて、デジタルコンテンツの利用環境を整備・改善する。

○国民の「食」を守る農林水産業への緊急支援

(ア)農林水産業の生産基盤の強化【農林水産省】

円高や猛暑、赤潮等の影響を受けた農業、漁業者が安定的な生産・供給を行えるよう支援を行うとともに、国内農水産物の生産拡大等に向けた効率的かつ持続的な生産基盤を確立するための支援を講じる。

(イ)口蹄疫対策の推進【農林水産省】

宮崎県及び周辺県における口蹄疫対策に要する経費の手当等を行う。

(ウ)沖縄等における地域農業の支援【内閣府、農林水産省】

沖縄県及び鹿児島県の南西諸島におけるさとうきび・国内産糖製造業の効率的な生産・製造基盤を確立するための支援を行う。

○成長分野としての農林業の育成支援

(ア)農の成長戦略の推進【農林水産省】

バイオマス施設や小水力発電等の整備支援、食の活用等による地域活性化とあわせて、6次産業化に取り組む農林漁業者等をサポートする人材の育成等を図るとともに、地域における雇用の拡大に向けた農業者の取組を支援する。

(イ)森林・林業再生の推進等(花粉飛散の抑制にも配慮)【農林水産省、国土交通省】

花粉の飛散の抑制にも配慮しつつ、搬出間伐と、これと一体となった森林作業道開設への支援を前倒しするとともに、路網整備の加速や公共施設の木造化支援等により「森林・林業再生プラン」を推進する。また、地域材等を活用した木造長期優良住宅の普及促進のための支援や地籍整備を加速する。

○魅力ある観光地づくりの推進と国内旅行の活性化

(ア)国内観光活性化のための滞在型観光の加速化等【内閣府、国土交通省】

国内観光活性化のため観光圏の取組も含めた23日以上の滞在型観光に係る施策や休暇取得の分散化に係る普及・啓発等を緊急的に実施するとともに、観光地における電気自動車等の導入を支援する。

(イ)外国人観光客のための言語バリアフリー化の加速等

【内閣府、警察庁、国土交通省】

沖縄を含む観光地における交通機関施設の外国語対応を推進するなど、治安面を含め安心・安全で魅力的な観光地づくり等を推進する。

○地域の目線に立った支援の拡充

(ア)地域活性化交付金(仮称)の創設【内閣府】

・新たな交付金を創設し、観光地における電線地中化等、地域の活性化ニーズに応じて、きめ細かな事業を実施できるよう支援を行う(きめ細かな交付金(仮称))。

・新たな交付金を創設し、これまで住民生活にとって大事な分野でありながら、光が十分に当てられてこなかった分野(地方消費者行政、DV対策・自殺予防等の弱者対策・自立支援、知の地域づくり)に対する地方の取組を支援する(住民生活に光をそそぐ交付金(仮称))。

(イ)合併市町村の活性化のための支援の加速【総務省】

合併市町村が新しいまちづくりや住民サービスの確保等のために、優先度が高く、緊急に実施する事業に対して行う支援を加速する。

○地方交付税の増額

平成21年度一般会計決算において地方交付税の財源として留保された未繰入額、及び平成22年度の国税収入の増額補正に伴う地方交付税法定率分増加額(計1.3兆円)について、交付税及び譲与税配付金特別会計に繰入れを行うこととし、そのうちの0.3兆円については、平成22年度に地方自治体に交付する。

(2)社会資本整備

地域経済・大都市の再生に向けて、その基盤となる社会資本を整備するため、三大都市圏の環状道路、首都圏空港、国際コンテナ戦略港湾等、投資効果の高い大都市圏のインフラの重点的整備や、国内観光の促進にも資する国土ミッシングリンク解消等の地域の交通アクセス改善など、新成長戦略の前倒しとなる重要施策に取り組むほか、地域のニーズに応じたきめ細かな事業を支援する。

また、公共事業の契約の前倒しを事業費ベース025兆円規模(限度額ベース02兆円程度)で計上する。

<具体的な措置>

○地域経済の元気復活に資するインフラ整備

(ア)国土ミッシングリンクの解消など地域連携の推進等【国土交通省】

地域経済の活性化を図るため、国内観光の促進にも資する国土ミッシングリンク(主要都市間等を連絡する高規格幹線道路等のうち未整備の部分)の解消や、地域連携に資する幹線道路ネットワークの整備、渋滞対策など交通円滑化、橋梁等の道路構造物の保全対策、道路の法面対策や無電柱化等を推進する。

(イ)都市鉄道整備事業等の推進【国土交通省】

観光等を通じた地域経済の活性化等を図るため、都市鉄道の新線建設等の工事、建設中の整備新幹線の工事等を推進する。

(ウ)国際コンテナ戦略港湾のハブ機能の強化等【国土交通省】

国際コンテナ戦略港湾である阪神港・京浜港のハブ機能を強化するためのインフラ整備を推進するとともに、地域経済の活性化に資する港湾施設の整備を推進する。

(エ)首都圏空港の強化等【国土交通省】

首都圏の交通利便性を向上させるための羽田空港の容量拡大に向けた事業等を実施する。

(オ)社会資本整備総合交付金の追加【国土交通省】

地域の創意工夫を活かした社会資本の総合的な整備を推進する社会資本整備総合交付金を追加する。

(カ)農山漁村地域整備交付金等の追加【農林水産省】

地域の自主性と創意工夫により、農山漁村の活性化を総合的に図るためのインフラ整備に要する農山漁村地域整備交付金等を追加する。

○地方公共団体によるきめ細かなインフラ整備等の支援【内閣府】

地域活性化交付金(仮称)の創設(再掲)

(3)中小企業対策

我が国経済を支える中小企業の活性化のため、金融、技術開発、海外展開など総合的に支援策を講じる。

<具体的な措置>

(ア)資金繰り支援【内閣府、財務省、厚生労働省、経済産業省、国土交通省】

日本政策金融公庫等の財務基盤を強化することを通じ、日本政策金融公庫、商工組合中央金庫、信用保証協会の融資・保証を促進し、年末・年度末の中小企業の資金繰りに万全を期す。また、現在の緊急措置が期限切れを迎える来年度においても、借換保証の拡充、セーフティネット保証や小口零細保証等の対策の重点化、さらには、日本政策金融公庫、沖縄振興開発金融公庫等による借換えの促進を含めた直接貸付の充実等により、中小企業の資金繰りに支障が生じないよう取り組む。

この他、建設業に対する下請債権保全や元請資金繰りに係る支援の強化、引火性溶剤の安全対策設備の導入が必要なクリーニング業者に対する低利融資制度の拡充を行う。

(イ)技術開発及び海外展開支援【経済産業省】

中小企業をはじめとする産学官連携による技術開発の支援を行う。また、海外展示会への出展支援の拡充、海外特許出願支援の強化等を実施し、中小企業海外展開支援会議の下で、地域での中小企業の海外展開を促進する。

(ウ)新規の事業活動への支援【内閣府、財務省、経済産業省、国土交通省】

農商工連携をはじめとした異分野の中小企業者の連携や地域資源を活用した新規事業を支援するとともに、中小企業者の起業・転業に必要な資金に対する積極的な融資・保証を促進する。また、全国の中小企業応援センターにおいて、転業チャレンジに係る相談会の開催、専門家派遣や転業に対する相談窓口等における支援を実施する。

さらに、地域の建設業のエコ・耐震改修等成長が見込まれる分野での市場開拓の取組、中小トラック事業者等の環境対応等を支援する。

(エ)地域商業の活性化【経済産業省】

地域の商店街等が行う、デジタルコンテンツの活用等による集客力向上、空き店舗対策、買い物弱者への対応等を支援する。

(オ)人材育成支援【経済産業省】

中小企業者におけるものづくり分野等の実践的な研修事業を実施する。

(4)その他

(ア)海上保安体制の充実等【農林水産省、国土交通省】

最近の我が国周辺海域及び遠方海域を巡る緊迫化した情勢に対応するため、巡視船の整備等海上保安体制を強化するほか、我が国漁業者の安全な操業を支援する施策を緊急に実施する。

(イ)情報収集衛星の体制整備【内閣官房】

安全保障及び危機管理に必要な情報収集の確実性を高めるため、情報収集衛星体制の整備を強化する。

(ウ)遺骨帰還事業の推進【厚生労働省】

遺族・若者等ボランティアの協力を得て政府一体となって硫黄島からの遺骨帰還を推進するため、必要な整備を行う。