「情報開示vs利益計算、情報開示の優位性と計算構造の希薄性、関連リポート(2025年1月2日発表)」

情報開示の優位性、計算構造の希薄性

現代会計は計算構造論より情報機能論が優先される 。つまり、投資家への役立ち論が重視され、計算構造あるいは勘定理論的基礎づけの議論が希薄化しているが、問題提起として、国際会計基準IFRSは本当に我々が知り得る会計なのか、従来の会計理論に見られない特徴を取り上げる。

投資家の判断に役立つ情報提供という会計目的には、勘定間の組織的関連や複式簿記の本質といった議論は第一義的でなくなる。そこでは投資決定に有用な情報が第一義的になり、どういう情報が有用かという観点からは、記録/計算といった仕組みの議論は背後に押しやられる

財務三表の一体性や相互性 (ヨコ連携の形)は興味深いものの、それが投資にかかる意思決定への役立ちという側面が入り過ぎた時、利益計算としての構造はどう変化し得るのか、その点が必ずしも明らかではない。言い換えると、測定基礎の相違はIFRSにおける純損益の表記方法の相違に直結しないかという議論につながる。

現代の会計の特徴を、端的に「記録なくして情報あり」、更に「複式簿記不要」に行き着くとすれば、それは記録計算の構造論的基礎の欠落した会計である(フロー思考→ストック思考)。 情報開示 > 記録計算(情報開示の優位性)という今日の会計のあり方は、機能論 > 構造論(機能論の優位性)につながり、これら2つの優位性の基礎に、証券市場を重視した投資家本位の現代会計がある。それが斬新かつ投資家フレンドリーだとは言え、我々が知り得る企業会計原則を礎にした会計は結局どこに行ったのか考察する。 

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