2「新成長戦略の推進・加速」
第二の柱 「新成長戦略の推進・加速」
環境・エネルギー、ライフ・イノベーションなど成長分野の基盤整備を加速しつつ、成長の成果が早期に国民に還元されるよう取組を推進する。
2.新成長戦略の推進・加速
グリーン・ライフ分野において人々や社会の課題解決を行う産業の創出、アジア経済戦略を通じたフロンティアの開拓、科学・技術・情報通信といった成長基盤の整備など、新成長戦略を推進・加速する。円高メリットの活用とあわせて、需要拡大を通じた経済成長の実現と雇用の創出により、活力ある日本経済を再生し、成長の成果を早期に国民に還元する。
(1)グリーン・イノベーションの推進 ~環境・エネルギー大国戦略~
○レアアース等天然資源確保の推進
○エコ住宅やエコ家電等の普及促進
○公共交通等のグリーン化
○グリーン投資の促進
○グリーン・イノベーションの研究開発支援の加速
○環境・エネルギー技術の海外展開促進
(2)ライフ・イノベーションの推進 ~健康大国戦略~
○ライフ・イノベーションの研究開発支援の加速
○医療サービスの情報化促進・国際化推進
(3)アジア経済戦略の推進
○アジア拠点化、EPAの円滑な実施等の推進
○インフラ/システム海外展開支援
(4)科学・技術・情報通信立国戦略の推進
○技術開発等の推進
○実証研究・評価のための企業等の施設・設備の整備支援
○産業革新機構の積極活用
(5)円高メリットの活用
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(1)グリーン・イノベーションの推進 ~環境・エネルギー大国戦略~
グリーン・イノベーションによる成長(「環境・エネルギー大国」)の実現に向け、成長を支えるレアアース等の天然資源確保を推進するとともに、エコ住宅・家電等の普及促進や、公共交通等のグリーン化による「グリーン需要」の拡大、中小企業等による「グリーン投資」の促進、最先端の「グリーン研究開発・実証」の加速、我が国環境・エネルギー技術の海外展開促進等を行う。
<具体的な措置>
○レアアース等天然資源確保の推進
(ア)鉱山等の開発、権益確保、供給確保など【経済産業省、内閣府、文部科学省】
石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)を通じて、鉱山等買収に対する支援や技術協力による資源国との関係強化を行う。また、海洋資源探査のための無人探査機の開発の前倒し等を行う。
(イ)レアアース等代替技術の開発など【経済産業省】
レアアース等の代替及び使用量の低減につながる、「希少金属代替技術開発プロジェクト」の実用化の加速支援及び技術開発支援を行う。
(ウ)レアアース等のリサイクルなど【経済産業省、環境省】
いわゆる「都市鉱山」対策として、廃製品からのレアアース等の分解・抽出を行う技術開発や設備導入への費用補助を行うほか、実証事業の実施等を通じ、回収システムの構築などのリサイクル事業の確立を支援する。
(エ)レアアース等利用産業における設備導入支援など【経済産業省】
レアアース等を利用する産業において、依存度低減やその効率的利用など、供給リスクへの耐性を高めるための設備投資を支援する。
○エコ住宅やエコ家電等の普及促進
(ア)住宅エコポイントの対象拡充【国土交通省、経済産業省、環境省】
エコ住宅のリフォーム等に併せて設置する省エネ性能が優れた住宅システムの一体的導入を促進するため、住宅用太陽熱利用システム(ソーラーシステム)、節水型便器、高断熱浴槽へポイント発行対象を拡充する。
(イ)家電エコポイントの円滑な実施促進【経済産業省、総務省、環境省】
本年夏以降の大幅な家電需要の盛り上がりを踏まえ、家電エコポイント制度の円滑な実施を促すため、所要の制度見直しを行うとともに、追加的な予算措置を行う。
(ウ)住宅用太陽光発電システムの導入促進【経済産業省】
住宅用太陽光発電システムの導入を一層加速するため、その導入費用の一部を補助する。
○公共交通等のグリーン化【経済産業省、国土交通省】
CNG(圧縮天然ガス)トラック・バスやハイブリッドタクシー等の運送事業用の次世代自動車・環境対応ディーゼル車などの導入・普及促進のため、導入費用を補助する。また、自家用のクリーンディーゼル自動車の導入を支援する。
○グリーン投資の促進【経済産業省、環境省、国土交通省】
地球温暖化対策設備投資を行う事業者への利子補給を実施する。また、国内クレジットを活用した中小企業の低炭素型投資の促進、建築物の省エネ改修事業の費用補助、低炭素型内航海運船舶等の導入支援を実施する。
○グリーン・イノベーションの研究開発支援の加速
【経済産業省、文部科学省】
電気自動車、省エネ家電、半導体等基幹部品や革新的な生産プロセス、ノンフロン製品などの開発・実証の加速を通じ、海外に先駆けた実用化を推進する。また、国際熱核融合実験炉(ITER)計画等の推進を加速する。
○環境・エネルギー技術の海外展開促進【外務省】
ODA等を活用し、優れた環境・エネルギー技術を活用した事業の海外における展開を促進する。
(2)ライフ・イノベーションの推進 ~健康大国戦略~
ライフ・イノベーションによる医療・介護・健康関連産業を牽引役とする成長(「健康大国」)の実現に向け、日本発の革新的な医薬品、医療・介護技術の研究開発、医療の情報化・国際化等を推進する。
<具体的な措置>
○ライフ・イノベーションの研究開発支援の加速【経済産業省、文部科学省】
高齢者・要介護者等のための生活支援ロボットや、がんの超早期診断・治療機器や重粒子線がん治療装置、革新的な再生医療を実現するための幹細胞評価機器等の研究開発・実証を加速する。また、医療機関等と企業の連携による、医療現場のニーズに対応した医療機器の開発を促進する。
○医療サービスの情報化促進・国際化推進【経済産業省、外務省】
一人一人が自らの医療・健康情報を電子的に管理・利用できる「どこでもMY病院構想」など、ITの活用による質の高い医療・健康関連サービスを提供できる環境を整備する。また、海外の患者が日本の高度な医療を円滑に受けられるよう、コーディネートを行う受入れ機能の整備や国内外の医療関連機関のネットワーク化等の環境整備、「医療滞在ビザ」(仮称)の創設などを推進する。
(3)アジア経済戦略の推進
アジアの成長を日本の成長に確実に結実させるため、グローバル企業の誘致等を通じたアジア拠点化、アジアにおける標準化、EPAの利用等を推進するとともに、インフラ/システム海外展開等を推進する。
<具体的な措置>
○アジア拠点化、EPAの円滑な実施等の推進
【内閣府、経済産業省、外務省】
グローバル企業のアジア統括拠点・研究開発拠点の誘致の支援を通じたアジア拠点化や、アジアにおける標準化を推進する。また外国人看護師、介護福祉士候補者への日本語予備教育の実施や、原産地証明書情報の電子的な提供を可能とし、EPAの円滑な実施や利用を促す。さらに、日本ブランドの確立・普及等のためのPR・プロモーションを実施する。
○インフラ/システム海外展開支援
【経済産業省、総務省、国土交通省、外務省】
国際協力銀行(JBIC)の投融資機能の強化、地上デジタル放送の海外展開に向けた技術の確立、案件の発掘・事業実施可能性調査、インフラ/システムの運営等を担う技術者の日本での研修等を通じて、事業者の海外展開を支援する。また、こうした調査、研修にはODAも活用する。
(4)科学・技術・情報通信立国戦略の推進
宇宙・光通信技術・次世代スーパーコンピュータ等の最先端の研究開発の推進、クラウドビジネスなど科学・技術の産業利用の促進、研究開発・実証拠点の国内立地促進等により、我が国の最大の強みである科学・技術・情報通信分野において、今後も世界をリードする。
<具体的な措置>
○技術開発等の推進【内閣官房、総務省、経済産業省、文部科学省】
先端光通信技術、次世代スーパーコンピュータ等の最先端の研究開発を推進するとともに、宇宙システムの海外展開に向けた開発支援や、クラウド活用環境の構築などを実施する。また、大学や研究センター等の施設・設備の整備等により、教育研究の基盤を強化するとともに、ナノテク分野における世界的な産学官の連携拠点(つくばナノテクアリーナ)を形成するなど、研究開発や人材育成における国際競争力を強化する。さらに、学びのイノベーションを推進するため、学校において利用される英語等のデジタル教材の開発を行う。
○実証研究・評価のための企業等の施設・設備の整備支援【経済産業省】
企業等の研究開発等の拠点を国内に残し新産業の創出を図るため、グリーン・ライフ分野等における先端技術の実証研究・評価のための大規模な設備投資の一部を補助する。
○産業革新機構の積極活用【経済産業省】
産業革新機構によるグリーン・ライフ分野等における海外大型買収案件の支援を拡充する。
(5)円高メリットの活用
以上の施策を推進するに当たって、国際協力銀行(JBIC)、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)、産業革新機構等を活用した戦略的海外投融資を実施するとともに、外国為替資金特別会計の一層の効率的な活用を図る。